枝葉か幹か
ミザーノにヤマハが持ち込んだのは
新型のエンジン、スズキのようなツインエキゾーストに
カーボンスイングアーム、そしてドゥカティのような
フロントホイールカバーでした。
アイテムとしては多くを持ち込んだものの
ロッシもビニャーレスもちょっと歯切れが悪いのは
もっとドラスティックな変化を期待していたからでしょうね。
つまり、エキゾーストやカバーといった枝葉のアイテムじゃなくって
もっとフレームを根本的に見直すとか
エンジンの特性を大きく振ってみるとかそういう
根幹に関わる部分の劇的な変化を期待していたんじゃないかと。
もちろん、現在、これだけ高次元に煮詰まった状態で
コンマ数秒を争うMOTOGPですから
それこそ、各分野をミリ単位で煮詰めて全体の次元を
ジリジリ上げていくのが、エンジニアの心理なんでしょうが
ここ数年、狭い同じ範疇をぐるぐる回っているというのも
外から見た印象。
既に現在多くのメーカーはスズキやホンダに代表されるように
非常に細いフレームにスイッチしてミシュランへの最適化を
図る一方、ヤマハは頑なとも言えるスタイルで一見すると
太いフレームを使い続けています。もちろん、各部の剛性は
見直されて、最適化を図っているんでしょうが、
更に踏み込んだ最適化はこれ以上出来ないようにも思うんですよね。
かつて古澤さんが門外漢として、ヤマハのレース部門にやってきて
大鉈を振るって、クロスプレーン+4バルブエンジンを持ち込み
車体も刷新したような何かが必要なんじゃないか?とも
思いますよね。
じゃないと、いつまで経っても今の不振から脱する事は
出来ないとも思います。
ロッシがこのまま優勝戦線に加わることなくキャリアを
終えるとしたらそれは寂しいことです。