カワサキの躍進

今シーズンの全日本のトピックとして
挙げられるのはカワサキの躍進でしょう。
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とにかくよく言われることだけど、
WSBでの圧倒的な強さに対して
ライバルに太刀打ちできない全日本という
この構図にジレンマを感じるカワサキファンもいることでしょう。

その点、今年は未勝利だったものの
決して得意とは言えない鈴鹿でもヤマハやホンダに
伍して戦ってますから、その進化は素晴らしいものがあったと思います。
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やはり、大きかったのは去年の最終戦MFJ-GPでのハスラム
快走ですよね。
それまではライバルよりワンランクソフト目なタイヤじゃないと
セッティングがまとまらなかったマシンでしたが、ハスラム
ヤマハファクトリーと同じハード目のタイヤをチョイスし
見事にセッティングを組立、決勝でも中須賀選手の前を走ってみせました。
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これはもてぎのトークショーで渡辺一馬選手が言っていましたが
今年の彼はこのハスラムのセッティングをベースにしているそうです。
それまでライバルよりワンランクソフト目なタイヤのために
予選はともかく、レースではズルズル後退する姿が見られましたが
今年はそこまで酷く後退することが無くなったのは、ハードめのタイヤを
上手に使う事ができるようになったというのが大きいと思います。

今回、鈴鹿シケインで見てましたが、もてぎよりも
さらにブレーキングの安定感が増していたように見えました。
去年までだと、ブレーキングの時にリヤタイヤがフロントより外側に
逃げていく、ストッピングパワーが上手く吸収できていない感が
ありましたが、今年はまっすぐ止まっているし、毎周のラインも
安定していて、決まっているなぁと思いました。
恐らく、リヤサスのセッティングと減速時のTCSのセッティングが
決まってきたんじゃないかなと。
あと大きいのはブリヂストンタイヤとのマッチング。

WSBでの強さの要因のひとつにとにかくチームのピレリタイヤへの
対応力の高さがありますが、反面、全日本のマシンは
ヤマハやホンダほど、ブリヂストンとのマッチングは良くない印象。
それが今年はいくらか良くなっているように感じます。
渡辺選手のいう、幾つかのパーツってのがリンク周りだったり?と推測します。

とにかく、パワーはあるけど、ブレーキングとコーナーリングが
課題でしたが、渡辺一馬選手を新しいエースに据えて
今年は新しい一歩を踏み出せたように思いますね。
逆に移籍一年目でこの結果ですから、来年は更なる躍進が
期待できるというものです。