今季のレギュレーションの傾向と対策

今季のMOTOGPクラスのレギュレーションが
改めて明示されているので、おさらい。

まずは最低重量が去年より1kg軽くなって157kgになります。
これで、2年連続の軽減となりますが、(去年は2kg減)
速くなり過ぎたためにブレーキングのストッピングパワーが
増大したことに対する対策と言って良いでしょうか。
ライダーの腕上がり症状が続出している影響もあるでしょうね。
ブレーキディスクはどのサーキットでも340mmが使えるようになった
反面、去年からキャリパーの素材にアルミ合金が禁止になってますから
オーバーヒートが懸念されていて、軽くなった分と
タイヤがミシュランになって、フロントがプッシュできない分
ブレーキの負担は減るかも知れませんね。

重量が1kg減った反面、燃料タンクはファクトリー勢は
プラス2リッターとなる22リッターになりますので、実質
乾燥重量はかなり軽くなっているんじゃないでしょうか。
ヤマハはその増量分をシートカウルに燃料タンクを設置するという
手法を取っていますね。
これは去年までの良好な重量配分を崩さないようにというのと
燃料の増減によるバランスの変化を最小に抑えるためのようです。
ロレンツォも試してましたね。
ヤマハはWSBにもこのタンクは使っていました。
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また2リッターの燃料増がパワーの方に振り分けられるかというと
そうでも無いかも知れません。
というのも共通ソフトを使うことでこれまでのようなきめ細かい
トラクションコントロールが使えませんから、不要な燃料を
カットするという燃費走行の精度が落ちますから、燃費は悪くなるでしょう。
この辺の設定がちゃんと出来て燃費が確保できるようになれば
パワーの方に振り分けられるかも。
序盤はドゥカティのパワーが炸裂する可能性はこの辺にあります。
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年間のエンジン基数はホンダ、ヤマハドゥカティが7基。
スズキとアプリリアは9基となり、また、エンジンの開発が
この2メーカーは継続して出来ます。
ファクトリー勢に関していえば、エンジン基数が増えましたから
よりきめ細かいエンジンとコースの合わせ込みが出来そうですね。
というのは、エンジン基数制限の中でコースごとに中低速や高速より
といったキャラクターの異なるエンジンを用意して
それぞれのコース特性に合わせて使い分けるってのは常套手段ですから
それが5基から7基に増えれば、より細かくキャラ分けが出来るでしょう。

また、去年は散々ピッロを使ってムジェロでテストをしていたドゥカティですが
プライベートテストに制限がかかり、ホンダ、ヤマハ同様
5日間と制限されることになります。

こうやって見ていくと、ドゥカティがホンダ、ヤマハ
同条件になりましたが、制御ソフトを使いこなしている点で
現在はリードしていて、そのアドバンテージがある序盤で
勝たないと、あっという間に2メーカーが追いついてくるって
予想がされますね。
それとスズキはオフテストで絶好調なだけに、エンジン開発が
凍結されない今季の内にひとつは勝ちたいところですよね。
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