今年の10人 ホルヘ・ロレンツォ
今シーズンのロレンツォは非常に
評価が難しいシーズンでしたよね。
前半戦の絶不調っぷりから一転
後半戦だけ見れば、一番ポイントを獲得している
いつものロレンツォだったわけですから。
今シーズン、序盤のロレンツォを見ていて思ったのは
車体側の課題が多すぎて、問題解決までに
時間がかかったということ。
マイナーチェンジを受けたタイヤとの相性解消に
時間を割いている間に、燃料タンクの縮小によって
中低速のアクセル開度に問題があることの対策が後手になったというか
既にシーズンが始まっていて、戦いながらの解消するシーズンに
なってしまったこと。
加えて彼自身もフィジカルな問題を抱えていて
とても万全とは言えない状況でした。
本来の彼は、レースウィークの早い段階でセットアップを決めて
ロングランを敢行するんですが、今年は得意のロングランが
ほとんど見られませんでした。
これはロングランをするレベルまでセットアップが煮詰まらなかった証拠。
ただ、そういった問題を解決するのもエースの役割
と言われればその通りで、反面、昔と違ってテスト制限のある
現在のMOTOGPではオフの間にいかに万全に近いマシンを
作っておくかという事の重大さを感じさせられた感じがします。
とはいえ、来期に向けては大きなレギュレーション変更が
ありませんから、ヤマハが戦闘力のあるマシンを準備してくれれば
打倒マルケスの筆頭であることには変わりがありません。
もてぎの90度コーナーでみた、非常に小さい半径で曲がる
彼のテクニックは秀逸でした。
しかも毎周、ほとんど狂いが無い正確無比なライディング。
マシンがアッチコッチ向くマルケスとは好対照。