多角形コーナーリング
今回、マルケスの走りで
スゲーって思ったのは
90度コーナーのブレーキングからの寝し込みで
明らかに突っ込みすぎて、オーバースピードに
なった時に、バンクしているマシンをちょっとだけ起こして
アクセルでリヤをスライドさせて
コースアウトしないようにマシンの向きをイン側に変えると
もう一回寝かして、何事もなく立ち上がっていくシーンを
見た時ですね。
彼はとにかく、チャレンジングなほどにブレーキで
突っ込みますから、立ち上がりのラインも結構
バラバラで、その時々でスライドの量をアレンジして
立ち上がっていく感じですね。
決勝はともかく、フリーと予選はそんな感じで
ずっと最速のラインを模索しながら走っている感じ。
だから、フロントで旋回するけど、その後のリヤの
向き変えがスライドの量でアレンジするというか、
場合によっては、2回くらい向きがカクカクって変わったり。
もうひとつはこれも90度コーナーの話だけど
彼だけ曲がるときのラインが鋭角なんですよね。
「コキッ」ていうか、「グキッ」っていうか、
ブレーキングを終えて「ここ」ってポイントで
マシンがフロントを軸にカクって感じで曲がる。
あんだけの減速をして、しかも下りコーナーで
フロントにあんだけ荷重が乗っかっているはずなのに
あれだけ、鋭角に曲がれるのは、もうマジックとしか
言い様がない。
他のライダーとラインが違います。
原田さんの言っていた
「誰もがああいう風に曲がりたいと思っているけど
できない」
って言っていたのは、ああいうことなんじゃないかと。
中本さんに言わせると彼はブレーキを
ドーンとかけるけど、結構パッとブレーキを
離すみたいだから、それによってフロントの荷重を
残しつつ、旋回性を引き出しているんじゃないかと。
これが125時代から言われる「小さく曲げるテクニック」
の極意じゃないかな?