レギュレーションの変遷
ちょっと問い合わせがあったので
覚えている範囲でここ数年のWSBの
レギュレーションの変遷を辿ってみますか。
(間違いもあるかもしれんけど)
まず、2気筒が1200cc化したのは、
2008年のことでしたね。
この時は1200ccと引き換えに、エンジン内部のパーツは
カムシャフトを除いてノーマルパーツを使うこととする。
それからエアリストリクターの装着。
そして、最低重量がプラス4kg(だったかな?)
さらにミッションは固定とする。
というハンデが課せられることとなります。
しかし、これだけのハンデを負わされても当時のエース
トロイ・ベイリスは自身3度目の王者に輝いて引退してます。
このハンデはベイリスを引き継いだ芳賀選手、
そしてカルロス・チェカがタイトルを
獲得した2011年まで継続されることとなります。
しかし、2013年パニガーレがそのカルロス・チェカの手でデビューして
一向に勝てなくなったあたりから、雲行きが怪しくなります。
この辺りからエアリストリクターが無くなり、最低重量も
4気筒と同等とされることに。
元々、最低重量の件は3戦ごとに見直しされるっていう規定でしたからね。
そして2014年になってくると、エンジンの基数制限が導入され
それまでのようなカリカリチューンのエンジンが使えなくなります。
当時は8基まで許されてましたね。
つまり、2012年にビアッジが、2013年にサイクスがタイトルを
獲得したあたりまではカリカリチューンのエンジンでした。
そして2015年になると、いわゆるエヴォレギュレーションが導入され
4気筒勢も2気筒と同じくエンジンパーツのノーマル使用が
義務付けられ、大幅なパワーダウンを余儀なくされます。
(カムシャフトは除く)
さらにミッションもシーズンを通して一種類のみと固定され
コースに合わせたギヤ比の交換が不可になります。
そして年間エンジン基数が7基に減。
購入できる規定になったのもこの年からです。
つまり、大幅に4気筒のパフォーマンスが削られた格好ですね。
パニガーレの初優勝が成し遂げられたのはこの年だから
レギュレーションは明らかに効果的だったということですね。
そして今年、2017年になるとスロットルボディのレース用品への
交換が不可とされ、ノーマルのスロットルボディを使用すること
が義務付けられます。
今年、ホンダがSP2をデビューさせたのは、この規定をクリアしないと
旧型CBRでは走れなくなるため。
加えて、カワサキは2気筒ごとに独立して動くスロットルボディを
去年まで使っていたんだけど、これが使えなくなりました。
だからレイが3連覇をしているんだけど、その裏ではカワサキが
レギュレーションと戦いながらパフォーマンスを落とさない
努力をしていることも忘れてはいけないですね。
よくWSBの規定は2気筒を優遇しているとも言われてますが
詳細に見ていくと、コストダウン&プライベーターとワークスの
格差を埋めることも目的としていることを見逃しちゃいけないね。