2016年を振り返る WSB編
まずはジョニー・レイの偉業について
称えることから始めたいと思います。
戦力の均衡ってことで、どこかのメーカーに有利
というタイヤではないので、毎年王者が変わってましたが
彼があえて、1をゼッケンに選んだとおりのチャンレンジが
見事に成功を導いたというところですね。
もちろん、マシンのパッケージングもいいんだけど、
やはりレイのライダーとしてのポテンシャルの高さが大きいよね。
ホント、ホンダを離れて正解だった(笑)。
それでもレイ的には今年新しくなったZX-10Rに関しては
終始テストから、感触は良くなくって、あまりいいコメントは
聞けていなかったんですよね。
ところが蓋を開けたら、開幕から4戦8レースで5勝を挙げて
一気にシーズンの主導権を握っちゃいました。
ライバルを油断させるブラフかとも思ったんだけど
今、ちょうど日本に来ていて、お台場で昨日インタビューに
答えたところによると、やっぱりこのマシンに合った
ライディングを探りながらの序盤戦だったと言ってますね。
その状態で5勝ってのが凄いんだけど、それはライダーの腕か。
このあと、マシントラブルで3レースでノーポイントリタイアを
喫して、タイトル争いが微妙な状況になっていきますが
序盤のリードをコントロールして逃げ切りましたね。
追う側のサイクスは第4戦まではいい感じでレイについていたのに
アッセンでの自爆転倒で遅れ出して、その後もポイントとなるレースで
後塵を拝するケースが多かったですね。
やはり、速いけどタイヤに厳しいスタイルの限界があるような・・・。
もうひとりのタイトルチェイサー チャズ・デイビスに関しては
本当に惜しいシーズン。
爆発的な速さはレイを持ってしてもついて行けない程でした。
それだけにドニントンのマシントラブル出火が大きかったように思います。
確かフリー走行の時にマシンから出火したかと思ったけど
WSBはTカーが無いですから、このマシンを予選までに修復しないと
いけなくって、なんとか直して出走したけど、決勝ではW転倒リタイア。
パニガーレはその構造上、修復するときは車体のディメンションが
一旦、バラバラになるので、車体のアライメントが微妙に狂ってしまったんでは
無いかな?
実際、このドニントンの後、ミザーノ、ラグナセカでも転倒リタイアを
喫しています。
2ヶ月のインターバルをおいて、再開されたラウジッツリンクで
復活の優勝を飾ってますから、インターバルの間にマシンを
組み直した可能性はありますね。
結果的に勝利数ではレイを上回ってますから、あのドニントンの
トラブルが無ければもっと接戦になっていたかと。
そういう意味では来年は本当に勝負をかける年でしょうね。
ただ、今季ZX-10Rになかなか馴染めなかったレイがオフのテストから
絶好調なんですよね。
本人いわく、来季型のマシンは本当にいいって話。
車体のディメンションは変わってませんから、スイングアームあたりが
新しくなったのが効いているか。
苦戦した今年より、実は来季の方が見通しは明るいかも。
そうなると前人未到の3連覇が現実味を帯びてくるというところです。