白熱のレースは最後に

さて、全日本もレポートもあとちょっと。

全日本ではスケジュールの最後に組み込まれ
JSBが終わった段階で帰るお客さんも多くって
ちょっと寂しい状況で行われたST600ですけど
レース的には一番見ごたえがありましたね。

伊藤真一さんも期待をしている岩戸選手が
ポラマイを追撃する展開となりました。
この2人、筑波で突っ込まれた方と突っ込んだ方という
因縁の2人。
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レースはストレートに勝るヤマハのポラマイに対して
ブレーキングで差を詰める岩戸選手の戦い。
ポイントになってくるのは同じタイヤを履くだけにタイヤマネージメントと
もうひとつは、このコースのどこで仕掛けるかということ。
幸いなことに雲が出てきて日が陰った分、タイヤには若干優しい展開。
となると、もてぎのどこで仕掛けるかということ。

3コーナー、5コーナー、S字、V字、ヘアピン、90度、最終。
抜きどころはたくさんある。

ただヤマハはストレートが伸びるだけに、前半で抜いてしまうと
後半でかわされてしまう可能性が大。
また無理に仕掛けるとオーバーランして差し替えされるケースが
多い。
となると、コース終盤の90度あるいは最終コーナーと思われました。
実際、ラストラップ、岩戸選手は3コーナーでは仕掛けず
ポラマイとの差を詰めて、ヘアピン立ち上がりではポラマイの
スリップに潜り込む形。
90度のブレーキングで勝負に出るか。
ポラマイも予測して、アウトでもインでも無い絶妙に中途半端な
位置取りでコーナーに進入して、ブロック。
立ち上がりでやや孕み、岩戸選手にインに入られかけるが
これをがっちりブロック。
トップで立ち上がって優勝を飾りました。
後のコメントを聞く限り岩戸選手は90度の飛び込みではなく、
その先の切り返しでポラマイのインを差す戦略で、そのためには
切り返しでポラマイが孕むように、90度のブレーキングで
プレッシャーをかけたようですね。
実際、スリップを使ってもホンダのマシンではヤマハをブレーキングで
抜き去るのは難しかったですから、この作戦は良かったと思います。

岩戸選手さすがに名門高武のライダーだけあって、素晴らしい
レースマネージメントだったと思います。
今季、榎戸君と共に期待の若手です。

あ、同チームの作本選手も非常に評価が高いそうで
他メーカーの監督さんもいいねと言っておられるそうです。