寒さが分けた予選

フランスGPは予選が行われ地元でポイントリーダーの

ファビオ・クオルタラーロがポールポジションを獲得しました。

 

対照的にランキング2位のホアン・ミールは予選14番手となっています。

 

両者を分けたのは、予選というわずか一周のウォームアップで

タイムアタックに入った時のフロントタイヤの熱の入り方の

ヤマハとスズキのマシン特性の違いでした。

 

思い起こせばレッドブルリンクでフロントブレーキがオーバーヒートする

ほど、前輪荷重が大きいヤマハはそれだけフロントに負荷がかかるマシンで

それが今回のような非常に寒いコンディションではタイヤに熱が入りやすく

ライダーが信頼を持ってアタックできた背景にあると思います。

 

対照的にブレーキングで奥まで突っ込める、それだけフロントタイヤの

負荷が小さいスズキのマシンはフロントタイヤへの負担が小さく

それがなかなかタイヤに熱が入らず、ライダーが信頼感をもって

攻め込めないという特性がはっきり出た形でしたね。

 

ただ、決勝レースは25周を超える長丁場で、しかもブレーキングポイントが非常に

多いルマン・ブガッティサーキットですから、このヤマハとスズキの特性が

レースでのフロントタイヤの消耗に大きく響いてくることでしょう。

 

ファビオはとにかく序盤にリードを築いて、早々にフロントタイヤの

マネージメントに入りたいはず。

対してミールは最終的にトップの位置に立てるように、25周トータルでトップに

追いつく戦術を考えて、ジリジリと追い上げを図ることでしょう。

 

ここでキーになってくるのは短い直線でも抜群のダッシュ力を誇る

ドゥカティが上位にいることで、序盤彼らがファビオの前に立ったら

あるいは、中盤ミールの前に立ちふさがったら、ファビオとミールの

作戦に狂いが生じるように思います。

 

果たしてどんな決勝レースになるのか。

ただ、リヤタイヤがオーバーヒート傾向のヤマハに朗報なのは

決勝は予選よりさらに気温が下がるという予報が出ていることですね。

少なくともリヤタイヤに関しては心配しなくても良さそうです。