薄氷のタイトル獲得
SRCカワサキにとっては、驚くような
結末とでも言いましょうか?
残り5分、SERTのマシンは緊急ピットインから
出て行ってまもなく、エンジンから盛大に白煙を
あげてコースに止まりました。
恐らくあのピットインの時点で何らかの異変を
感じ取っていたんだと思います。
この瞬間、SRCカワサキの年間王者が確定しました。
思えば、SRCカワサキはオッシャースレーベンが
終了してランキングトップに立っていたにも関わらず
日本への遠征プランは無く、このままで行けば不戦敗
という状況でした。
元々確固たる基盤のあるチームではなく、それまでは
主にフランスで開催される24時間レースしか出ていませんでしたから
ヨーロッパでさえ遠征する費用が無かったと想像されます。
ましてや遠く離れた日本ともなればというところ。
しかし、どこからか(恐らくはカワサキ・ヨーロッパ)
救いの手が差し伸べられ、日本に来ることが叶いました。
毎年、鈴鹿ラウンドに参戦しているSERTはコースも熟知しており
終始、SRCカワサキをリードする展開でウィークは
流れて行きました。
このレースで引退するドミニク・メリアン監督に
有終の美を飾ってもらおうと、SERTとエンジンを供給する
ヨシムラ、ダンロップの強力なタッグが立ちはだかりました。
それは決勝でも変わらず、SERTは常時、一桁順位付近を
問題もあってレース中盤には武蔵シケイン進入で
転倒を喫してしまいます。
それでもそこから再スタートすると、ピットもその走りから
ピットインする必要はないと判断、そのままレースを続けることを
指示します。
もしも、ここで不要なピットインを行い順位を下げていれば
また違った結果になったのかも。
個人的には日本をよく知るニゴンの存在は大きかったと思う。
そして迎えた8時間後の最高の結末。
いずれにせよ、日本まで来なければ得られなかった栄冠。
最後まで諦めないことの意義を見せつけてくれました。
カワサキとしても久々の世界耐久の栄冠。
来季はゼッケン1をつけて、シーズンに臨むことになります。
SRCカワサキおめでとう。