わかっちゃいるけど、なかなか変えられないポイント

チーム・アジアの岡田監督によれば、
今シーズン、MOTO2にステップアップした
パウィが速く走れないのは、MOTO3時代の感覚が
抜けきらないからだそう。
つまり、中大排気量マシンのしっかり減速して
小さく回って大きくアクセルを開けるという乗り方ができず
相変わらず小排気量の高いコーナーリングスピードを
維持する乗り方をしているとのこと。

これは全日本の現場でも聞く話で小排気量から
上がってきた選手は多かれ少なかれ、この壁に当たるそう。
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そういう意味ではポンと思いつくのが去年、J-GP2に
上がってきたJ-GP3クラス王者の水野君。
このブログでも何度か書いたけど、昨年シーズン序盤は
まるで、GP3かと見まごうばかりのタイトな乗り方というか
とにかくコーナーを小さく小さく回っている。
もてぎの1コーナーから2コーナーなんか典型だけど、
コーナー半径が小さい。
でも、それがゆえにタイヤのグリップが落ちてくる中盤以降
スリップダウン転倒が多かったのも事実。
水野選手の非凡なところは、シーズン中盤以降乗り方を
J-GP2にアジャストしてきたこと。
つまり、進入でしっかりスピードを落として
向きを早く変えて、アクセルを開ける区間を大きく取る。
実際、中盤以降は表彰台の常連になりましたからね。
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迎えた今シーズンは開幕から絶好調。
これは去年確立したライディングスタイルに加えて
今季からサスペンションがWPからオーリンズになって
車体の荷重移動がより容易になったからではないかな?
重量のある車両は前後のピッチングモーションを
使っての方向転換が重要になってきますから。

頭でわかっていてもなかなか変えられないスタイルの
アジャストをやってのける部分が水野選手の凄いところですね。
だからこそ、8耐JSBに乗っても速さを発揮できるんでしょう。

明日からはいよいよ岡山。
既にタイトルに王手をかけている水野選手。
タイトルを決めて、日本GPに晴れ晴れした気分で
臨むことはできるでしょうか?