自分不器用ですから その2

2013年にタイトルを獲得し、念願のゼッケン1を
つけて臨んだ2014年シーズンは惜しいところで
タイトルを逃すこととなりました。
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まあ、その遠因となったロリス・バズとの間には
確執が生まれ、結果的にバズはMOTOGPに行き
代わりの新たなチームメイトとしてジョナサン・レイ
チームに加入しました。

一方でスーパーバイクは変革期を迎えていて、
2015年から大幅にエンジンの改造が許されない規定
いわゆるエヴォレギュレーションが本格導入されます。
(一部は2014年から暫定的に導入されていた)
これは2気筒に適応されていたクランクシャフトやピストンなど
エンジン内部の大規模な摺動パーツはノーマルを使用するというもの。
つまり、レース専用品は使えなくなるというもの。
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この結果、エンジンのピックアップや絶対的なパワーが
2014年までに比べると、若干下がることとなり、
この部分に対する対応がライダーによって明暗別れることとなります。

つまり、ハードブレーキングでしっかり減速してボトムスピードを
低く旋回して、一気にパワーをかけるサイクスには不向きで
コーナーリングスピードを高く保つ旋回をするレイの方が
影響を受ける部分が少なく、それが結果にダイレクトに反映されることに。
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それがレイがカワサキ加入わずか1年目にしてタイトルを獲得する
要因に結びつきます。
しかも、1年目でこの結果ですから、チーム、マシンによりフィットする
2年目以降は更なる成果を生むであろうことは容易に想像できた部分。

サイクスにとって厳しいのはレイほど速くない上に
タイヤに厳しくレースペースでもついていけないということ。
つまり、勝ち目が無いということ。
それは彼もわかっていて、2017年になるとレースペースを改善することに
注力することとなりますが、それだけタイヤをケアすると
今度は絶対的なスピードが落ちてしまうという悪循環。
実際、昨年度はレイの方がポール獲得数が多かったハズ。
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サイクスは自分のライディングスタイルゆえにタイトルを獲得し
今はもがき苦しんでいるという格好になってしまいましたね。

この悪循環から抜け出すには、自身のライディングを改善するか
あるいは、新しい道具を手に入れて、新たな道を歩むか。
結果的に彼は後者を選んだわけですね。
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果たして彼の選んだ道の先にはどういう結果が待ち受けているんでしょうか。

ちなみに彼が狙っていたヤマハのシートはほぼ無理で、
ドゥカティも無理となると、どうやらレッドブル・ホンダで
キャミアのお隣さんか、最悪インディペンデントチームのどこか
となる公算が今のところ強いようですね。