2015年を振り返る~出来すぎのシーズン

今シーズンのタイトルを獲得したダニー・ケントが
例えばミゲール・オリベイラやエネア・バスチアニー二
ニッコロ・アントネッリやロマーノ・フェナティと
いったライバルに対して圧倒的にライディングスキルが
優れていたというとそうでは無いと思う。
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ただ、彼にとって幸運だったのは、彼にとって
レオパード・レーシングというチームとエンジニア
NSF250RWというマシン、オーリンズのサス、ダンロップのタイヤ
といった種々のファクターがこれ以上ないタイミングで
バッチリ彼にハマったということでしょう。

レギュレーションが厳しく制限され、マシンの性能差が
生まれにくいこのクラスで、序盤戦あれだけの圧倒的な
レースを展開できたのは、その辺に原因があるか。
彼のスタイルは若手に多いコーナーに激しく深く突っ込む
スタイルではなく、どちらかというとコーナーのエントリーは
スムーズな方で、そうしながらよく曲がるセッティングを
見つけたのが大きいかも知れません。
結果的にハードにコーナーに突っ込まないのでタイヤにも
優しく、よく曲がるのでアクセルを開けるポイントが早く
ストレートも伸びるといい事ずくめ。
序盤から混戦に巻き込まれずマイペースのレース展開が
可能になりました。
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ただ、後半戦、他チームがセッティングを詰めて、同等の
速さをみせてくると、ポイントリーダーの重圧もあってか
らしくないレースが続きましたね。
終わってみれば序盤戦の圧倒的なリードで何とか逃げ切った
というタイトル獲得劇となりました。

ケントにとっては法外な出来すぎたシーズンの締めくくりとなりましたが
先にも述べたように、他のライダーに対して
圧倒的な優位があるわけではないので、来季のMOTO2は
真の実力が問われるシーズンになると思います。

とはいえ、バリー・シーン以来となる英国人ライダーの
ワールドチャンピオンは脱スペインという意味でも
非常に意味のあるタイトルでしたね。
そうそう終わってみればスペイン勢は1勝も出来ず。
これはこれでニュースです。