世界の思惑、日本の都合

日本は世界に名だたる4メーカーの
お膝元であるがゆえに、世界の中でも
独自路線の進化、深化を遂げることはよく
あることで、それが世界との距離を広げる原因の
一因だと思います。

例えば、世界的にはどの選手権もワンメイクタイヤが
主流なのに、日本ではST600以外はタイヤ戦争が継続しているのは
タイヤメーカーが国内に複数あって、その声を
無視できないという事情からでしょうね。

今シーズンからWSBでは電子制御の価格制限及び
希望するプライベーターへの販売が義務付けられてますが
これはゆくゆくは各国の国内選手権の車両にも販売してゆく
計画を含んでいるんですよね。
電子制御の搭載を許していないBSBは例外として、
極めて選手権のレベルが高くなってきたドイツのIDM
お馴染みCIVイタリア選手権、あるいは世界耐久のEWC車両で
戦うフランス選手権は順次、この電子制御ソフトを購入して
同じものを使っていくことになるんではないでしょうか。

アメリカ、モトアメリカは既に来季からの採用が決まっています。

そうなってくると、日本はどうよ?って話で。
例えば、現在、クレセント・スズキはモーテックから
マニエッティ製へとソフトを変更していますが、
ヨシムラ・・・というかスズキは変わらずモーテックのはず。
テンケイトもマニエッティに変更しましたが、
恐らく、国内のホンダのワークスに搭載されているのは
全く別物のはず。
イメージ 1
微妙なのはカワサキで、JSBを走るチームグリーンの
マシンは、ワールドを走るマシンの先行開発を請け負っているため
サスペンションとかも、世界に出す前の試作品が使われていて
ここで性能確認したものを、世界に送り出しています。
ですので、電子制御もワールドと同じ仕様のものが搭載されていても
おかしくないですね。未確認ですが。
(ここは確か元々は三菱で、それをマニエッティにしたはず)
イメージ 2
日本の場合は電子制御を組めるメーカーが国内にも
あるので、メーカーと懇意にしているところが
それを請け負っている状況で、その関係を切ってまで
イタリアのマレリを使う可能性は低いでしょう。

ただそうなると、世界のスーパーバイク選手権の中で
日本だけが、またも独自進化を遂げて取り残されることに
なりかねないです。
日本王者が世界へ・・・という道を作りやすくするためには
日本も統一レギュレーションにすることが
望ましいんですが、そこはメーカーのお膝元だけに
それぞれの思惑が絡んできて・・・ってことになりそうです。