ブレーキングからスライドコントロールへ
スペインGPの翌日行われた
居残りテストでもファビオ・クワッタハッホが
トップタイムをマーク。
しかも予選タイムを更新するレコードでテストを
終えています。
時間の限られたレースウィークと違い
走行時間の多いテストですからセッティングを
しっかり煮詰めれば、レースウィークよりタイムが
出るのは当然なわけで、これは驚くに値しません。
しかし、いよいよ開幕戦から見せている彼の速さが
本物であることが白日の下に晒されたという感はありますね。
そもそも記録的な若さでCEVを連覇した彼の最大の武器は
非常に鋭いブレーキングコントロールでした。
それはMOTO3でも片鱗は見せていたものの、
マシンの差がCEVよりも小さい世界選手権だとより
効率の良い加速も考慮しないと結果に結びつかないのか
MOTO3の2年間はパッとしませんでしたね。
そのパッとしない状態のまま、体格が大きくなってしまった
という理由でMOTO2にステップアップ。
チームはそのまま、レオパード・レーシングで
当時のチームメイトはミゲール・オリベイラでしたね。
でもここでもパッとせず、チームを移籍、
スピードアップに抜擢されることとなります。
これが彼が開花するきっかけとなったように思います。
それまでの鋭いブレーキングに加えて、非常に
タイヤに優しいスライドコントロールをこの頃から
体得してきたように見えますね。
タイプ的にはザルコに近いというかマシンからの
ハングオフが小さく、センター付近に乗ったまま
綺麗にリヤをスライドさせているからロスが少なく
非常に効率のいい走りで、ビニャーレスあたりの
アグレッシブな走りより今のM1、ミシュランには
合っているように思います。
次は彼の母国ル・マン、ブガッティサーキット。
そしてここはヤマハに相性の良い路面、レイアウトの
コースだけに史上最年少優勝の期待がかかるというものです。
史上最年少優勝の可能性はアッセンまでは残っているようですが
彼ならやりそうな予感がヒシヒシとしますね。