アプローチの違い

ミラノショーではWSBに来季からBMWがワークス体制を
復活させ、ホンダがモリワキを窓口として
アルティアとジョイントして参戦することを発表しました。

BMWはワークスと言いながら既存チームとのジョイントで
かつてはBMWを走らせていた時もあるショーン・ミュアー・レーシング
(今年のミルウォーキーアプリリア)と手を組んだのに対して、
ホンダはあくまでもモリワキを前面に押し出して
そのモリワキとアルティアとのジョイントチームという形を
取りましたね。

BMWからすれば、現状、WSBに参戦しているチームで
もっとも実績と実力があり、かつファクトリーと契約していない
ショーン・ミュアーとジョイントという非常にわかりやすい
アプローチだったわけですが、ホンダはなぜ、ずっとホンダを
走らせてきたテンケイトではなく、モリワキを介してアルティア
という面倒なアプローチを取ったのでしょうか?

ここからは推測になりますが、ホンダというか、HRCとしては
自分らのやり方に対して、抵抗なくすんなり受け入れてくれるチーム
という意味で、テンケイトは技術主義すぎると見たのかも知れません。
彼らはホンダのサポートなしでもシャシーを改造し、
ソフトを開発し、エンジンをチューニングしてきたわけで
チームの持っている技術的なポテンシャルは高いと思いますが
それがHRCの主張と対立してしまうと困るわけで、そこまではHRC
求めてはいないと思います。
それとHRCというか、日本的な仕事の仕方、方法に対して
すんなり受け入れられるか?という点ですね。
今回、モリワキを前面に押し出してきたのは、モリワキはHRCとも
仕事をしてきて、彼らのやり方は熟知してますし、それでいて
自分らでパーツの開発もできるし、レースも運営できる。
WSBが久々のHRCとしては、そういう便利な存在であるモリワキに
主導を担ってもらって、WSBフル参戦のノウハウのあるアルティアと
ジョイントしてチームを運営するのがベストと見たのかも知れません。

それから、全日本にモリワキが参戦していることで、WSBで戦うパーツの
開発に貢献している部分も大きいかと思います。

いかなHRCとはいえ、最優先のMOTOGPのワークス活動に
加えて、全日本、8耐HRCワークス体制でこちらも優先度合いが
高いとすれば、WSBのパーツ開発は全日本でモリワキにやってもらう
というのも手かもしれません。
あれもこれもはリソース上、難しいですからね。

来期、もしもピレリが引き続き全日本にタイヤを供給してくれるなら
モリワキはパーツ開発も兼ねて高橋裕紀選手が
走る可能性はあると思います。