2017年の傾向と対策 ⑥

結果的にマルク・マルケスにより
2連覇を果たしたホンダ陣営ですが
シーズン中のデベロップメントを見ると
現場も相当、苦戦しているであろうことが
わかりますよね。

終戦でもマルケスはザルコをストレートでかわせなくって
ブレーキで超頑張って抜いたら、転倒寸前と、
エンジンパワーや立ち上がりのトラクションでヤマハ
対してアドバンテージが全然無いことが見て取れました。
だからこその、シーズン中のシャシー開発だったと思います。
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2017年シーズン当初からペドロサを初め、クラッチロウ
ミラー、ラバットが選んだメインフレームが細い仕様のマシンは
そもそも2016年のカタルニアテストに登場したもの。
この時はペドロサ、マルケス2人のライダーがテストをし
本番採用を見送っています。
これを再び持ち出したのは
2016年から2017年にかけてミシュランタイヤが柔らかい構造に
タイヤを振ってきてますから、この細いフレームは2017年仕様の
タイヤには合っていたんでしょうね。
実際、2016年のシーズン終了後のバレンシアテストで初めて
このフレームで走ったミラーとラバットは非常に好感触で
すぐにこのフレームで2017年を走ることを決めました。
この時はタイヤも2017年仕様でした。
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しかし、マルケスは2016年フレームの延長線上の太いフレームを
引き続き2017年も使うという判断の元、シーズンに入りました。
ところが、大得意とするオースチンで勝ったものの、それ以外のコースでは
勝てず、前半戦わずか1勝。
結局、2016年型の延長線上のフレームだと2017年のタイヤと
マッチングが良くなかったということなんでしょうね。
マルケスはカタルニアGPからペドロサ達と同じフレームを投入することに。
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2017年の傾向と対策⑥でも触れましたが、メインフレームを細く
しならせる方向で、リヤタイヤのグリップを上手にフロントタイヤまで
伝えてあげると、フロントタイヤのグリップ向上に繋げることが出来るとすれば
このフレームの方向性は正解だったか。
実際、後半戦はこのフレームで5勝もしてますからね。
ただ雨に救われたレースもいくつかあるので、そこまで良かったとも
思いませんけどね・・・・。

いずれにしろ、マルケスマンパワー頼みの今のホンダですから
2018年に向けてはそれこそ、クラッチロウでも勝てるレベルの
マシンに仕上げてこないと相変わらずの苦戦は必至か。
ただ、オフテストではなかなか好感触だったようですけどね。
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