デニング、シーズンを振り返る

かつてのスズキMOTOGPチームのボスで
現在はWSBに参戦するパタ・ヤマハのボスである
ポール・デニングが今シーズンを振り返って
インタビューに答えてくれています。
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彼はその中で、やはり新しいマシンを勝てるレベルにまで
熟成させるには時間がかかると答えていますね。
それはドゥカティのパニガーレがデビューから初優勝まで
3年かかったことでもわかると思うとも語っています。
それは今シーズン、期待されたほどの速さをみせられなかった
新型R1とチームに対する外野へのコメントだと思います。

今シーズン、負傷したギュントーリの代役として同チームで
走ったキャメロン・バービアーが語ったところによると
走り始めて5周目くらいでがっくりタイヤのグリップが落ちて
そこで安定すると言ってますから、WSBで使うピレリ
タイヤ特性をまだ掴みきれていないという感がありますね。
だからレースの早い段階でタイヤが終わっていて、後は
ライダーがおっとっと状態で走り続けて最後は転倒というのが
今シーズンのパターンだったか。
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レース終盤まで勝ち負けをするには車体面のアップデイトと電子制御の熟成が
欠かせないところで、それがデニングの熟成に時間がかかる
という意味だと思います。
デニングはもちろん、日本の本社の協力が欠かせないって言ってますよね。

今シーズン、新型マシンを投入したにも関わらず、
速さを発揮したカワサキですが、これに関しては
チーム・グリーンのおふたりがチームが持っているピレリ
データに対するセットアップ能力がすごくて
あっという間にセッティングを仕上げてくるって言ってましたね。
このあたりはマシンの熟成もさることながらチームの経験値も
関わってくる部分でしょうか。

それでもシーズン途中のインターバルでテストを行って
新しいシャシーとスイングアームを投入してからは
明らかに上向きで、最終的にはカタールで表彰台に
登るレベル、つまりタイヤのライフを長持ちできるセッティングに
一応は結果に出せたというところじゃないでしょうか。
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デニング曰く、シーズン中にギュントーリが負傷して
長期離脱、ロウズも負傷欠場したことで、熟成に遅れが生じたのは
紛れもない事実であると言ってますので、それがなければ
もっと早い段階での登壇もあったかも知れません。
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ただ来季に向けてギュントーリが抜けてロウズと
ヴァン・デル・マークという若く、やや転倒の多い2人の
コンビになるだけに、果たして熟成が進んで勝ち負けできるかどうか
ちょっと不安な面がありますね。
それとヤマハ本社がこのチームにどれだけ力を注ぐのか
という面も見逃せない部分です。
ドゥカティカワサキがそうであるように
WSBに力を入れるメーカーはピレリタイヤに合わせ込んで
市販マシンにも手を入れてきたり、レースでのトラブル対策を
盛り込んできたりしますからね。
ヤマハが本気なら市販のR1にもその方向のモディファイが
なされてくるでしょうが、そこまではやってこない気もします。

まあ、ヤマハファンは長い目で見ないといけないかな。