秋のヨーロッパとタイヤの関係

ミシュランの公式発表によれば、アラゴンGPから

タイヤアロケーションの登録できる数量を変更するそうです。

 

これはレースウィークが始まる前に、MOTOGPでは

フロント10本、リヤ12本のタイヤを事前登録するのですが

そのフロント10本の内訳の中で、これまでは最大1種類のコンパウンド

5本までしか登録は出来ませんでした。

 

つまり、今のように低い路面温度でソフトを沢山使いたくても

5本までしか登録出来ませんから、予選やレースに向けて新品を

温存すると、残り3本でFP1,2,3、4、WUPをこなさねばならず

特にQ1,2の進出を決めるFP2,3のタイヤの使い方が難しくなりますね。

実際、予選を見ていても2回のアタックのうち、2回目のアタックは

リヤのみ新品で、1回目のアタックで使ったフロントタイヤを

そのまま使うケースが多いですが、これはもう新品ソフトをレースに温存すると

在庫が無いからでしょうね。

 

それとその5本以外に登録できるミディアムであったり、ハードタイヤは

今の状況ではまず、出番はありません。

路面温度が低く、タイヤの作動レンジを外れてしまうため、タイヤが

本来のグリップ性能を発揮することができないからです。

 

実際、カタルニアとルマンではKTMポル・エスパルガロ

ミゲール・オリベイラはフロント側にミディアムを装着しましたが

ポルいわく、全然グリップしなくって、何度もフロントから

転倒しかけたそうです。

嫌が応でもフロントにもソフトを履かざるを得ないのが今の状況。

 

こうした状況を受けて、ミシュランはフロントタイヤ10本に関して

1種類のコンパウドの登録できる数量を6まで増やすとのこと。

これでFP1,2,3,4、予選、レースで使えるソフトタイヤが

一本増えますから、だいぶ、やりくりは楽になることでしょう。

 

リヤに関しては従来から1種類につき最大6本まで登録できますから

何とか、これまでやりくりしてきたようですね。

 

ただ、その結果アラゴン以降のレースはほぼ全メーカー、ライダーが

前後ソフトという組み合わせで戦うしかなくなるわけで、

違う意味での我慢大会というか、タイヤの使い方の争い

という側面が強くなっていきそうですね。

もしも、マルクが居たとしても全然思うように走れる状況じゃ

ないでしょうね。