オフテストを終えて

WSBは2日間のヘレステスト、2日間のポルティマオ合同テストを

終えて、残りは開幕戦直前のフィリップアイランドテストを

残すのみとなりました。

 

とはいえ、直前テストはもう、物を現地に運び込んでの

テストでそのまま、レースウィークに突入ですから

実質、色々なパーツを試したり、基本的なセットアップの洗い出しは

この4日間で終えていないと厳しいシーズンインになるでしょう。

 

そういう意味では今年は例年に無く移籍の多かったシーズンのため

多くのライダーが新たなチーム、マシンでの走行となっており、

まだまだ、ニューマシンに慣れる、チームに慣れるという部分が大きく

果たして開幕戦に向けてどれだけセットアップが充実しているかは

ちょっと疑問ですね。

特にヘレスは結果的に2日間のうち、晴れたのは1日だけで、

ポルティマオも1日は雨模様ということで明らかに走り込み不足でした。

 

そう考えると、昨年からマシン、体制共に大きな変更の無かった

KRTの5スターチャンピオン ジョナサン・レイはまさに磐石なオフテストで

ポルティマオをスキップして、初開催のカタルニアでのテストも好天に恵まれと

順調すぎるほどの状態でテストを終えてますから、最高のシーズンインとなりそうです。

ライバルが体制を整えてくる前に開幕ダッシュをしてきそうです。

実際、雨のセッションを一切走ることのなかったレイはその理由を

去年のオフテストから大きく変わっていないから試すこともないと

しています。

 

さて、ではライバル勢はどうか?というと、

まず、好調だったのは、ヤマハに移籍したトプラック・ラズガットリオーグル。

不安視されたヤマハへのスイッチも全く問題ないようで、早くもチームメイトの

マイケルを上回る速さを発揮してますから、新型R1のセットアップも順調なよう。

去年はプライベーターながら同じカワサキのレイを破ってますから

いよいよヤマハのワークスライダーとして打倒レイの最大の候補となるか。

 

それから去年のBSB王者で今年からWSBにやってきた元GPライダーのスコット・レディング。

電子制御非搭載のBSBマシンからハイテク装備のWSBマシンへのスイッチに

不安がありましたが、そこはMOTOGPで電子制御マシンに乗っていた経験が生きているようで、全く乗り換えに問題は無かった模様、本人もポジティブな

コメントが多いですね。

 

そしてこうしたワークス系チームに割って入ったのがプライベーターの雄

テンケイト・ヤマハに乗るロリス・バズ。

天候が良くなかったコンディションでは非常に速さを見せてましたが

元々悪コンディションには強いライダーでしたが、ドライでも十分な速さを見せています。

久々の優勝に届くのでしょうか。

 

一方、話題のニューマシンを投入したホンダは完全に出遅れている状況。

ワークス体制ということで、非常に豊富なパーツを投入し、力を入れているけど

それが故にマシンが未だにまとまりきってない状態でのシーズンインとなるようです。

そのため、本来の速さを発揮するにはまだまだ時間がかかりそう。

シーズンを戦いながらマシンの開発を進めていくしかないですね。

 

昨年は開幕戦からバウティスタのワンサイドゲームで始まりましたが

果たして今年は王者のスタートダッシュがあるのか、それとも

それを食い止めるものが現れるのか?

 

開幕まであと一ヶ月を切りました。