二転三転

ジョナス・フォルガーによれば、

ヤマハのテストライダーの地位は確約されていなかった

ということのようです。

 

ジョナス・フォルガーは来季ヤマハ

ストライダーとして走らないことを明らかにしました。

それはてっきり、彼の意志かと思いきやそうではなくってヤマハからのオファーが無かった模様。

 

そもそもヤマハはテストライダーの最有力候補として

ヨハン・ザルコを上げていて、それは日本GPの行われる

もてぎで契約する予定だった模様。

ところがその直前、ザルコはこのオファーを断るかのように

LCRホンダからの代役出場を決め、結果的にこのオファーは

流れたものと思われました。

そしてフォルガーのテスト契約も継続と・・・・。

 

ところがどうやらヤマハはまだザルコを諦めていなかった模様。

今でもザルコのために席を空けて待っているようなんですよね。

まあ、実際、今のままだとザルコは1年浪人することになるので

それならテストライダーを受けてもという気がします。

あるいはホルヘが電撃的にホンダを離脱するという一縷の望みを

そこに託しているのか。

 

この二転三転する事態はどう収束するのか。

ちなみに万が一、ザルコがテストライダーにならなかった場合

ドミニク・エガーターのセンがある模様だ。

 

残す椅子はひとつ

11月中旬から始まる合同テストを前にして

WSBのシートが続々と決まっています。

 

まず、バーニ・レーシングのシートを失った

マイケル・リナルディはゴーイレブン・ドゥカティへ。

 

撤退が噂されたオルリック・カワサキは来年も

継続参戦でライダーは引き続きレアンドロメルカド

 

ホンダはファクトリーチームを立ち上げて

バウティスタとハスラムのコンビ。

 

高橋巧はモリワキのチームであるMIEレーシングから

ファクトリーマシンを走らせます。

実質、今年のモリワキ・アルティア・レーシングですね。

で、残っているひとつの椅子ってのは彼のチームメイトで

今のところ未定となっています。

アルティアは単独参戦が無くなった段階でデルビアンコとは

決別宣言をしているので彼は無し。

となるとHRCとの契約がまだある清成さんかそれとも

他の誰か?ですが・・・。

ツイッターではドミニク・エガーターを挙げてみましたがどうでしょうか。

JSBの価値

HRCの撤退、ヨシムラのEWCへの転向

チーム・グリーンの台数削減。

何も確定情報はありませんが、火のない所に煙は立たず。

来年の春先には続々と悲しい確定情報が流れてきそうな予感・・・。

まあ、例年早い段階で体制発表があるハルクプロの内容に

よって、その後が予想されそうですが・・・。

 

結局、どのメーカーも全日本JSBのタイトルに全然重きを

置いてないのが要因なんでしょうね、ヤマハを除いて。

 

終戦中須賀選手に逆転を許した高橋巧選手+HRCですけど

鈴鹿8耐を終えて、全日本のタイトルに目標をシフトして

マシンにニューパーツを投入して、戦闘力向上を図ったヤマハ

対して、HRCは何もしてない感じでしたね。

多分、来年の8耐に向けて開発が新型にシフトされてしまったんではないかと。

結果的に逆転されたけど、その位置までポイントを詰められたのは

マシンが停滞しているホンダと進歩したヤマハの差。

ホンダからすると全日本JSBは必死で取る価値は無いのかも

と思わせる部分ですね。

 

チーム・グリーンにしても以前所属した渡辺一樹選手が言っていたように

電子制御やサスペンションといったパーツにはWSBの先行品が

投入されているそうで、完全にWSBのためのテストフィールド。

JSBのタイトルを狙うなら、もっとBSタイヤに特化したマシン作りが必須ですが

そうしないのは、あくまでもWSBの開発がメインだから。

 

ヨシムラは難しい立場。ヨシムラ単体としては当然、全日本のタイトルを

狙っていきたいけど、今や電子制御無しでは戦えない今のJSBにおいて

スズキのバックアップは欠かせないけど、スズキも財布と人員の問題で

そこまでの強力なバックアップは出来ない。

だから、近年は勝つことも出来ない状態で、恐らく今後もそれが

大きく変わることは無いと思う。

そう考えた時に継続参戦することにどれだけ価値があるのか。

 

結局、JSBの王者の価値が無いとまでは言いませんが

低く評価されてるんですよね。

昔に比べて。

そうなったのはメーカーと運営の両者に責任があると

思いますけど、ここからどう失地回復するのか。

その辺はMFJの手腕にかかってくるんじゃないかな?

メーカーには期待できないわけだから。

 

誰だ?MFJにはハナから期待してないなんて言う奴は。

ホンダとWSB

遂に発表されましたね、ホンダのWSBへの

ワークス参戦。

ワークスチームとしては2002年のカストロール・ホンダ

時代以来となりますが、当時はホンダGBがベースのチーム

今回は新たにスペインのバルセロナ近郊にファクトリーを

建てての参戦と全く体制は異なります。

 

まあ、ホンダとWSBとの話をする時に欠かせないキーマンは

間違いなく、今は退職されておられない中本さんになるでしょう。

中本さんはあるインタビューでも、究極の技術を競うMOTOGP

比べれば色々な制限のかかる市販車でレースをするスーパーバイクには

全く魅力を感じない旨、発言してましたからね。

 

実際、中本さんがホンダの第3期F1活動の終了と共にHRC

復帰したタイミングで、HRCはWSBのテンケイト・ホンダへの

バックアップを止めています。2007年にジェイムズ・トスランドが世界王者に

輝いた年まではエンジンはHRCが作って供給していたんですよね。

そしてこの年が今のところWSBでのホンダの最後の栄冠。

 

そして、その中本さんが定年退職されたのが2017年の春先で

そこからHRCトロイカ体制になったんだけど、その頃からHRCの首脳陣が

WSBの現場で見かけられるようになりましたから、その頃から復帰に向けて

動いていたと見ていいでしょう。

社内的にはかなり声は上がっていたけど、中本さんが許さなかった

というのは言いすぎかな。

 

まずは今年、どんな戦いぶりを見せてくれるのか

期待して見てみたいと思います。

私はホンダファンでは無いけれど。

ターニングポイントは8耐

終わってみれば最終戦の逆転劇で

中須賀選手が9度目のタイトルを獲得したJSB1000クラス。

こんなに激動だったシーズンも珍しいのでは無いか?

と思いますね。

 

開幕戦こそ相変わらずの速さをみせたヤマハでしたが

続く鈴鹿、菅生ではホンダの高橋選手が驚異的な速さをみせ

ヤマハを完膚なきまでに叩きました。

これで今シーズンはHRC高橋巧の年となるかと思いきや、

8耐を挟んだ後半戦になると一転、ヤマハが反撃に転じる展開となりましたね。

 

吉川監督によると、鈴鹿8耐まではあくまでも8耐久目標とした

マシン作りをしてきたけど、8耐が終了してからは全日本に向けて

開発の方向性を変えていったそうです。

実際、後半戦になってヤマハはニューパーツを投入してきているんですよね。

対して、HRCは後半戦を控えたテストでマシントラブルによる

転倒で高橋巧選手が骨折という最悪の出だし。

この出来事が組み合わさってシーズンの流れが再びヤマハに流れたように思いますね。

そして、マシンの開発が新型にシフトしたのか、マシンは進歩を

止めてしまった。

それと中須賀選手に言わせると、やはり、もはや開発年式が古いCBRは

特定のコースでしか速さを発揮できず、ヤマハほどコンスタントにどこの

サーキットでも速いマシンでは無かったとのこと。

それも後半戦ポイントを詰められる結果になった要因。

それでも鈴鹿はさすがにデータが豊富にあるので、速さをみせてはいましたが・・・。

 

それでも第1レースの展開によっては高橋選手にも全然タイトルの目は

残っていたと思いますが、そのへんについてはまた別途触れます。

待遇改善

ヤマハから発表があり、来期のクワッタハッホは

今年のモルビデリと同待遇、つまりヤマハ

スペックA待遇に昇格するそうです。

 

今季のファビオはルーキーということもあって

年間に支給されるエンジン基数が規定の上限である7基ではなく

5基となっており、その分、エンジンを労らねばならず

そのため、エンジンの最高回転数もリミットより500回転低くして

走るよう、ヤマハから指示が出ていました。

加えて彼にはシーズン中のアップデイトパーツは供給されず

カーボンフロントフォークも供給されないという状態のマシンでした。

 

ところが既にご存知のように、そんなマシンで彼は最年少ポール記録を

更新し、ヤマハユーザーの中ではビニャーレスと互角か時には

それを上回る速さを発揮してみせました。

加えて、エンジンの消耗度合いが当初の予想よりも少ないことから

日本GPもてぎからはエンジンの回転数をマックスまで使って良い

との指示が出ました。

 

そうやってヤマハの予想を上回る結果を残した彼はヤマハから

好待遇を引っ張り出すことに成功しました。

 

ヤマハからすると、最新ファクトリーマシンを4台揃えることも

かなりの金銭的体制的負担だったと思いますが、加えて

ファビオまでもパーツアップデイトの対処にするというのは

更なる負担増大だと思います。

にも関わらず、ヤマハが踏み切ったのは、それがメーカーにとって

最善の策であるという判断なんでしょうね。

 

あの渋いヤマハに(笑)そこまで決断させるファビオの才能が

いかに凄いのか、ホントに彼には驚かされます。

 

続 悩みは深く 

ホルヘには悪いけど、結局2018年フレームを投入して

わかったのは、フレームの変更レベルでは問題解消には

至らないってことじゃないかな?

基本的な重量配分が変わらないからね。

 

2018年フレーム及び穴あきのステアリングヘッドを

見ても、ホルヘはフロントの自由度を欲しがっているのはわかる。

RC213Vはフロントタイヤが頑固なハンドリング特性なんでしょう。

それはハードタイヤしか履けないことでもわかります。

重量配分で言えば、前輪荷重が非常に大きいマシン。

ブレーキングでフロントにどんと荷重が乗って、フロントが

ビシッと決まってしまうとテコでも動かないようなマシン。

 

あくまでも推論で言えば、ホルヘは非常にコーナーリングで

ステアリングを切って、マシンを引き込んでグイグイ旋回させる

スタイル。

でもRC213Vでそれをやると切れ込むか転倒するかなんでしょうね。

ホルヘはもっとフロントに自由度が欲しい。

だから穴あきトップブリッジでフロント周りの剛性を落としたり

フロントからのインフォメーションが多い2018フレームを使いたがるんでyそう。

でも、根本的な重量配分、エンジンの搭載位置は変わりませんから

根本治療にはなってない感じですね。

 

ドゥカティはホンダに比べて全然前輪荷重が少ないですから

それだけ自由度もあるし、ホルヘがフロントにソフトを履いても

ちゃんと完走出来るレベルでタイヤが持つ。

 

同じV4でも全く重量配分、考え方が違うんでしょうね両者のマシンは。